Elastic IP アドレス

Elastic IP アドレスは、動的なクラウドコンピューティングのために設計された静的 IPv4 アドレス。Elastic IP アドレスはユーザーの AWS アカウントに割り当てられ、解放するまでユーザーのアドレスになる。Elastic IP アドレスを使用すると、アドレスをアカウント内の別のインスタンスに迅速に再マッピングすることで、インスタンスやソフトウェアの障害をマスクできる。または、ドメインがインスタンスを参照するように、ドメインの DNS レコードに Elastic IP アドレスを指定することもできる。

Elastic IP アドレスは、インターネットからアクセス可能なパブリック IPv4 アドレス。インスタンスにパブリック IPv4 アドレスがない場合は、Elastic IP アドレスをインスタンスに関連付けて、インターネットとの通信を有効にできる。例えば、これにより、ローカルコンピュータからインスタンスに接続できる。

現在、IPv6 に対する Elastic IP アドレスはサポートされていない。

Elastic IP アドレスの料金

Elastic IP アドレスを効率的に使用するため、Elastic IP アドレスが実行中のインスタンスに関連付けられていない場合や、停止しているインスタンスやアタッチされていないネットワークインターフェイスに関連付けられている場合は、時間毎に小額の料金が請求される。インスタンスを実行しているときは、インスタンスに関連付けられた 1 つの Elastic IP アドレスに対して料金は発生しないが、インスタンスに関連付けられた追加の Elastic IP アドレスがある場合、その追加分に対しては料金が発生する。

Elastic IP アドレスの基本

  • EIP アドレスは静的であり、時間の経過とともに変わることはない。
  • EIP アドレスを使用するには、まずアカウントに 1 つ割り当ててから、それをインスタンスまたはネットワークインターフェイスに関連付ける。
  • EIP アドレスをインスタンスと関連付けると、インスタンスのプライマリネットワークインターフェイスとも関連付けられる。EIP アドレスをインスタンスにアタッチされたネットワークインターフェイスと関連付けると、インスタンスとも関連付けられる。
  • EIP アドレスをインスタンスまたはそのプライマリネットワークインターフェイスに関連付けると、インスタンスのパブリック IPv4 アドレス (既に割り当てられていた場合) が Amazon のパブリック IPv4 アドレスのプールに戻される。
    • パブリック IPv4 アドレスを再利用することはできず、パブリック IPv4 アドレスを EIP アドレスに変換することはできない。
  • リソースから EIP アドレスの関連付けを解除し、別のリソースと関連付けることができる。
    • 予期しない動作を避けるため、変更を行う前に、既存の関連付けで指定されたリソースへのアクティブな接続をすべて閉じていることを確認する。
    • EIP アドレスを別のリソースに関連付けた後、新しく関連付けられたリソースへの接続を再度開くことができる。
  • 関連付けが解除された EIP アドレスは、明示的に解放するまでアカウントに割り当てられたまま。実行中のインスタンスに関連付けられていない EIP アドレスには、時間単位で少額の料金が課される。
  • パブリック IPv4 アドレスが前回割り当てられたインスタンスに EIP アドレスを関連付けると、インスタンスのパブリック DNS ホスト名は、EIP アドレスに一致するように変更される。
  • パブリック DNS ホスト名を解決すると、インスタンスのパブリック IPv4 アドレスまたは EIP アドレス (インスタンスのネットワークの外部の場合)、およびインスタンスのプライベート IPv4 アドレス (インスタンスのネットワーク内からの場合) となる。
  • EIP アドレスは、Amazon が持っている IPv4 アドレスのプールまたはユーザーが AWS アカウントに持ち込んだカスタム IP アドレスのプールから割り当てることができる。
  • AWS アカウントに持ち込んだ IP アドレスプールから EIP アドレスを割り当てた場合、EIP アドレス制限にカウントされない。
  • EIP アドレスを割り当てると、EIP アドレスをネットワーク境界グループに関連付けることができる。
    • これは、CIDR ブロックをアドバタイズする場所。ネットワーク境界グループを設定すると、CIDR ブロックがこのグループに制限される。
    • ネットワーク境界グループを指定しない場合は、リージョン (us-west-2 など) のすべてのアベイラビリティーゾーンを含む境界グループが自動的に設定される。
  • EIP アドレスは、ネットワーク境界グループ別に専用になっている。
  • EIP アドレスは特定のリージョン専用であり、別のリージョンに移動することはできない。

Elastic IP アドレスの制限

デフォルトでは、すべての AWS アカウントでリージョンあたり 5 つの Elastic IP アドレスまでに制限されている。

  • インスタンスに障害が発生した場合にアドレスを他のインスタンスに再マップする機能のために主に Elastic IP アドレスを使用し、他のすべてのノード間通信には DNS ホスト名を使用することを強く推奨。